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コラム

TOEIC®L&Rと英検®のどちらを受けるべき?換算表と違いを解説!

2023年3月20日

TOEIC®L&Rと英検®のどちらを受けるべき?換算表と違いを解説!

TOEIC®L&Rと英検®は試験を実施する目的や出題分野、リスニング、リーディングなどの出題傾向が異なるため、英語学習の目的に合わせて受験方法を選びましょう。テストを通して自分の英語力を測りたい人の中には、「TOEIC®L&Rと英検®の違いを詳しく知りたい」という人もいるのではないでしょうか。

当記事では、TOEIC®L&Rと英検®の違いを、目的や試験の形式、出題分野ごとに解説します。TOEIC®L&Rや英検®の受験を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

    目次

  • 1. 【換算表】TOEIC®と英検®のスコアの対比

  • 2. TOEIC®L&Rと英検®の違い
    • 2-1. 目的の違い
    • 2-2. 試験の形式の違い
    • 2-3. 出題分野の違い
  • 3. TOEIC®L&Rと英検®の試験内容の違い
    • 3-1. 単語と文法の違い
    • 3-2. リスニングの違い
    • 3-3. リーディングの違い
    • 3-4. スピーキングの違い

  • まとめ

1. 【換算表】TOEIC®と英検®のスコアの対比

TOEIC®と英検®のスコアを比較する場合「CEFR(セファール)」を基準にするのがおすすめです。CEFRとは、英語をはじめとした外国語の習熟度や運用能力を評価するための国際基準です。ヨーロッパを中心に世界中で用いられている基準のため、自分の英語能力を世界基準で評価できます。

CEFRは、外国語の運用能力を「A1」「A2」「B1」「B2」「C1」「C2」という6段階で評価します。文部科学省によると、各評価の外国語運用能力は下記の通りです。


熟練した
言語使用者
C2 聞いたり、読んだりしたほぼ全てのものを容易に理解することができる。いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できる。自然に、流暢かつ正確に自己表現ができ、非常に複雑な状況でも細かい意味の違い、区別を表現できる。
C1 いろいろな種類の高度な内容のかなり長いテクストを理解することができ、含意を把握できる。言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に、また自然に自己表現ができる。社会的、学問的、職業上の目的に応じた、柔軟な、しかも効果的な言葉遣いができる。複雑な話題について明確で、しっかりとした構成の、詳細なテクストを作ることができる。その際テクストを構成する字句や接続表現、結束表現の用法をマスターしていることがうかがえる。
自立した
言語使用者
B2 自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的かつ具体的な話題の複雑なテクストの主要な内容を理解できる。お互いに緊張しないで母語話者とやり取りができるくらい流暢かつ自然である。かなり広汎な範囲の話題について、明確で詳細なテクストを作ることができ、さまざまな選択肢について長所や短所を示しながら自己の視点を説明できる。
B1 仕事、学校、娯楽で普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要点を理解できる。その言葉が話されている地域を旅行しているときに起こりそうな、たいていの事態に対処することができる。身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。経験、出来事、夢、希望、野心を説明し、意見や計画の理由、説明を短く述べることができる。
基礎段階の
言語使用者
A2 ごく基本的な個人的情報や家族情報、買い物、近所、仕事など、直接的関係がある領域に関する、よく使われる文や表現が理解できる。簡単で日常的な範囲なら、身近で日常の事柄についての情報交換に応ずることができる。自分の背景や身の回りの状況や、直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できる。
A1 具体的な欲求を満足させるための、よく使われる日常的表現と基本的な言い回しは理解し、用いることもできる。自分や他人を紹介することができ、どこに住んでいるか、誰と知り合いか、持ち物などの個人的情報について、質問をしたり、答えたりできる。もし、相手がゆっくり、はっきりと話して、助け船を出してくれるなら簡単なやり取りをすることができる。

(引用:文部科学省「大学入学者選抜関連基礎資料集 第2分冊(高大接続改革の経緯等関係)」引用日:2023/01/24)

TOEIC®と英検®のスコアをCEFRに当てはめた場合、スコア別の評価は下記の通りです。


CEFR TOEIC® L&R TOEIC® S&W 実用英語技能検定
  Listenig Reading Speaking Writing CSEスコア
C2 - - - - - 3300-4000
C1 490~ 455~ 180~ 180~ 1級 2600-3299
B2 400~ 385~ 160~ 150~ 準1級-1級 2300-2599
B1 275~ 275~ 120~ 120~ 2級-準1級 2300-2599
A2 110~ 115~ 90~ 70~ 準2級-2級 1700-1949
A1 60~ 60~ 50~ 30~ 3級-準2級 1400-1699

(引用:ETS®TOEIC®「TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表」引用日:2023/01/24)

(引用:公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」引用日:2023/01/24)

TOEIC®と英検®を比較するときは、上記のスコア換算表をぜひ参考にしてください。

2. TOEIC®L&Rと英検®の違い

TOEIC®L&Rは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が実施するテストです。問題はリーディングとリスニングで構成されており、主に日常生活やグローバルビジネスにおける英語力を測定します。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC Programとは」)

英検®は、公益財団法人日本英語検定協会が実施するテストです。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングという4技能のバランスを重視しており、実用英語力が問われます

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「英検®の特徴とメリット」)

ここでは、TOEIC®L&Rと英検®の違いをさらに詳しく紹介します。

2-1. 目的の違い

TOEIC®L&Rは、オフィスや日常生活における英語コミュニケーション能力の測定を目的としています。合格・不合格といった区分ではなくスコアで結果が出るため、現在の正確な英語力を把握する目的で役立ちます。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEIC Programとは」)

英検®は身近な目標として7つの級を設定し、個人の英語学習レベルに合わせてステップアップを図り、社会で通用する英語力を伸ばすのが目的です。リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能の学習を通じて、日常生活やビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力を養えます。

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「英検®の特徴とメリット」)

2-2. 試験の形式の違い

TOEIC®L&Rはマークシート方式で行われ、すべての受験者が同じ英語試験を受けるのが特徴です。結果は合格・不合格という形ではなく、スコアで確認できます。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」)

英検®には7つの級が用意されており、自分の英語レベルに合った級を選べます。すべての級にスピーキングテストが導入されているほか、3級以上の級では記述式のライティングテストが設けられているのが特徴です。結果は合格・不合格という形で通知されます。

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「試験内容・過去問」)

2-3. 出題分野の違い

TOEIC®L&Rは、英語を就職活動に役立てたい就活生や仕事で英語を使おうと考えている社会人に人気のテストです。日常会話やビジネスシーンで使う英単語・英文が多く出題される傾向にあります。

英検®は、特に高校・大学受験を控える学生に人気のテストです。出題分野は受験する級により異なります。5級~準2級は身近な話題が多く出題され、2級より上のテストでは社会的なテーマや専門性の高いテーマ、時事問題などが増える傾向にあります。

3. TOEIC®L&Rと英検®の試験内容の違い

TOEIC®L&Rと英検®では、試験の採点方法が異なります。TOEIC®L&Rの場合、200問の設問に答えると、10〜990点の間の5点刻みで最終的なスコアが出ます。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テスト結果について」)

英検®はリーディングやリスニングなどの技能ごとにスコアを均等に配分した上で、級ごとに固定の合格基準スコアを設定しているのが特徴です。

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「英検CSEスコアでの合否判定方法について」)

どちらのスコアも単純な正答数の足し算ではなく、設問難易度によるスコアの差を抑えるために、統計処理を加えた上で算出されています。

ここでは、TOEIC®L&Rと英検®の試験内容の違いを詳しく紹介します。

3-1. 単語と文法の違い

TOEIC®L&Rでは、英語学習者のレベルにかかわらず全員が同じ問題を解くため、初級レベルの人には単語が難しく感じられる場合があります。文法問題はPart5の短文穴埋め問題で出題されますが、しっかりと試験対策をすれば安定した得点源になります。

英検®は、受験級によって出題される単語レベルが変わるのが特徴です。文法知識のみを試す問題は出題されないものの、合格判定を得るには級のレベルに応じた英文法の基礎力が求められます。

3-2. リスニングの違い

TOEIC®L&Rのリスニング問題数は100問であるのに対し、英検®は1級でも問題数が27問とリスニングの比率が低い傾向にあります。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」)

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「1級の試験内容」)

また、問題用紙における質問文の有無も違いの1つです。TOEIC®L&Rでは、問題用紙に質問文と選択肢が両方印刷されているため、事前に質問文を把握した上で放送を聞けます。一方、英検®では問題用紙に質問文が印刷されていないため、放送を聞くまで質問内容を把握できません。

3-3. リーディングの違い

TOEIC®L&Rのリーディング問題数は75分間で100問です。問題のボリュームが多く、速読力が求められます。

(出典:一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「テストの形式と構成」)

英検®は、TOEIC®L&Rと比べると問題数は少なめです。1級でも問題数は41問、ライティング部分の英作文と合わせて100分の時間が割り当てられています。問題数が少なめな分長文の難易度は高めで、しっかりとした読解力が求められます。

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「1級の試験内容」)

3-4. リーディングの違い

TOEIC®L&Rには、スピーキングテストはありません。一方、英検®では3級以上のテストで、1次試験に合格すると二次試験として対面方式のスピーキングテストが行われます。

また、英検®の4・5級では、PCやスマホ、タブレット端末で任意受験できるスピーキングテストが用意されています。4・5級のスピーキングテストを受験する場合、独立したテストとして英検®の合否とは別に合否判定を行うのが特徴です。

(出典:公益財団法人日本英語検定協会「合否はどう決めるの? <テストの合否判定>」)

まとめ

TOEIC®L&Rと英検®は試験の目的や出題分野、単語と文法、リスニング、リーディングといった試験内容が異なります。TOEIC®L&Rの目的が「オフィスや日常生活における英語能力の測定」であるのに対し、英検®は「社会で通用する英語力を伸ばす」のが目的です。

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